どうやら今、世界は大変らしい
サミット時の安部首相の「リーマン以来の・・」という話しは、どうにもトンチンカンだという意見があるようだけど、とりあえず今、世界は大変なことになっているようなのは間違いないようだ。
中国バブル崩壊、BREXIT、パナマ文書、米大統領選等々...
いろいろな議論を見て、そして読ませてもらっている。
大変に勉強になるし、読まなきゃいけない本は増える一方ではあるけれど、全体的にまず大いに疑問なことがある。
企業も政治も、まるで銀行家のように・・ 最先端な数式を使ってポートフォリオの話しでもしているみたいだ。
果たして、政治や一般企業って、それで合ってるんだろうか?
米大統領選や社会主義と資本主義が共存する隣国中国を見ていても分かるとおり、現代はもう“自由主義vs社会主義”や“大きい政府vs小さい政府”では話しが割り切れなくなってきている。
世界的な大転換の時として、そのモノサシのほうをまずは改めなきゃいけないように感じる。
そしていろいろ小難しいことを言っても結局は、需要不足そして先進諸国にはかつての中産階級に仕事がないということが問題だという話しなのだろう。
かつての(一応現在の)先進諸国が通貨だ財政だと言ったところで、中国やインド台頭の時代が来ることは避けられないわけで、根本的なところから変えていかなければいけないことは明白だ。
政府と中央銀行との関係がしきりに議論されているが、税制まで含めて考えると、現代の各諸国銀行は国家の財布の役割しか果たしていないことも明白だ。
現状維持を大前提として物事を組み立てる先進諸国(政治も企業も)には、未来とか希望とか.. そういう不確かで壮大なことはもう見えないんだ。
極端な話しですね、未来は明るいと思える道筋があって、それは誰もが乗っかれると思えるものがありさえすれば、それでいいわけなんです。
日本においても、財政出動=公共事業=はこものだから財政出動は不可という当たり前の話の流れがあるけれども...
そもそも一般庶民の感覚として現代に思うのは、欲しいものがないということ。
嗜好やライフスタイルが多様化し、各マーケットがニッチ化しているけど、その各ニッチ分野のものは、高くても売れるんですよ。
誰も「何でもかんでも激安にしろ!」とは言ってないんだ。
欲しいものには金を払うといっている。
だからですね、国民のニーズが多様化してるんだから、それに対応できるようなボディ(インフラのようなもの)に作り変えることに対して、公費を投入したらいいわけでしょう。
お金が流れれば雇用も増えるし、成熟度も上がる。ところが今は、そこにお金は流れてこない仕組みになっている。
現代は、ネットで情報もモノもいきわたる世の中になっている。
だからキー局で宣伝し、大規模マーケットだけを追うということ自体がオワコンなわけで・・ 小回りの利くメディアと小回りの利く商品がセットで発達していけるようにしていけばいい。
ネット時代ということはすなわち地方に有利な時代ということでもある。
無理やり地方に既存モデルの産業を興したり、需要がないものを作り続ける大手メーカーの工場を誘致したり、する必要がないわけです。
では何が必要か?
それは知らない。がしかし、そういう社会構造に作り変えるインフラを整備することはできる。
イラク戦争でさんざん言われたカーライルは、それ以降せっせと、日本の優良中小企業投資に励んでいるんですよ。
何故当人自身(日本自身)は、幻想になった大規模マーケットを追い続けるのでしょうか。
世界と戦う大企業には大きな研究開発費が必要だ。
そして私たちは、そういう日本の大企業製品が好きだ。安心だから。
でも、絶望的に格好悪い新型プリウスはいらないわけで・・ 中身はそのままであのカタチじゃないプリウスが欲しいわけだ。
売れないからせっせと次のブームらしきものに移っていくけど.. そうじゃなくって、よさげなモノならば、まずは一旦立ち止まって、そこ掘り下げて言って欲しいわけだ。
使いこなせるようになった頃にはそれはもうメインストリームではなくなってしまってるので、結局楽しくない。そういうサイクルが繰り返されるから、もはや何が良くて何が新しいのかもわからない。
つまり、大きいお金が必要な世界と戦う大企業と、ニッチマーケットは共存できるわけです。
コアとなる部分、そして最先端の資金が投下された部分までを製品として、アレンジメーカーに供給すればいいわけです。
下請け中小企業をぶら下げる大企業 という構図から、大企業の製品をアレンジして売る中小企業というカタチに、ピラミッドを逆ピラミッドにすればいい。
同じく並行してやらなきゃいけないメディア方面は、二階建てにすればいいわけです。
多様化しすぎた国民と、それそれに専門分野の人がいる。
だから、各ニッチが発信するチャンネル(メディア)と、それを拾い上げて統合し戦わせるチャンネル(マスメディア)というカタチになればいい。
各地方局と地銀をコアにして、ネットテレビ局を作ればいいわけです。
そしてそこに乗せるCMは、各ニッチに散らばった小口マーケットで戦う企業であればいい。
と、これはちょっと思いつき程度で話しを始めたものでしかないが、要はそういうようなものを起こすためのインフラとして財政出動をさせるとか..
つまりは未来につながる具体的なカタチが見える無形物へ投資することもできるのではないか?という話し。
給料が少ないから結婚しないのではなく、未来が明るいとは思えないから結婚できない。欲しいのは絶対額ではなく、ベクトルなんです。
日本中が、ぬる~くユル~い現状で満足(または妥協)できるから、今を動かさない。貯蓄は増える。投資は増える。オフショアは最高!
日本市場に見切りをつけた日本製大企業は、せっせと時価総額を増やし、お金を貯めて海外企業の買収に勤しんでいる。
時価総額を増やす=株価が上がる。投資運用資金は余っている。国は企業に出て行って欲しくないからあらゆる優遇をする。ところがその金は結局海外投資へ向かうので雇用は増えない。最先端分野であれば、日本の教育インフラのおかげで自国にいながらせっせと研究開発費に投入できる。
いずれにせよ、政治も企業も何も、極めて近視眼的になっている。
それは夢も希望もいらない現状維持を望む方々が担っているからだ。
中国は世界に乗り出していくにはまだまだ早い。その前にちゃんと国内を何とかせい!という話しだ。だがしかし、これからの5年は内需拡大に勤しんでいく。なぜならそういう五ヵ年計画で動いているから。
そういった部分だけ、今の中共体制に利があるように思う。